前回のキャンプから1ヶ月。
「あぁ、キャンプに行きたい・・・」とソワソワが加速度的に増幅していく。
ソワソワソワソワ・・・。
しかし、雨か灼熱かの2択しかないような毎日だ。
大好きなキャンプとはいえ、腰が重いのも否めない。行ってしまえば楽しいのだが。
行くか行かまいか悩んでいるところにキャンプメーカーさんから記事執筆の依頼をいただき、写真撮影の必要が出てきた。
意を決して、灼熱の野に繰り出してきた。
意外と涼しかった、なんてことはない。これは2022.8.2-3の灼熱キャンプの一部始終である。
今回のキャンプ地は兵庫県多可町の「三国公園鳥羽キャンプ場」に決める
私は京都在住だが、現在、離婚協議中で兵庫県丹波市にある実家に戻ってきている。
悲しみの果てではあるが、大好きなキャンプに行く機会を増やし、楽しい、嬉しいという感情の割合を増やし、相対的に悲しみを薄めようと試みている。
この猛暑なので、長野など避暑地的なところに足を伸ばしたい気持ちもあるが、避暑する前に、たどり着く前に枯れ果ててしまう。
金もねぇ。財布の中身も枯渇気味だ。
ダブル枯渇なので、実家から車で1時間圏内の安いキャンプ場を探す。
見つけたのが、よく初詣に出かけていた兵庫県多可町の「青玉神社」横の「三国公園鳥羽キャンプ場」だ。
「杉原紙の里・多可」というキャンプ場の向かいにあり、宿泊500円で利用できる。
アウトドアブームでキャンプ場の料金も高騰している気がするので、これはありがたい。
「青玉神社」は森の中にひっそりとある神秘的な神社で、空気が凛としていて好きだ。
まさかこんなところにキャンプ場があるとは。
よく詣っている神社なので、ナイスなキャンプタイムを過ごさせてくれるのではという淡い期待も込めてここに決めた。
テントを張り、拠点ができた時点でかなりの濡れ雑巾
ここのキャンプ場は国道沿になるのだが、かなり山の中で峠の途中という感じだ。
完全にクマクマパラダイスというような環境で、森の方に目を向けるとクマ様とバチッと目が合ってしまいそうでためらってしまう。
案の定、道の駅でキャンプ料金を支払う際、「クマに注意」のチラシをもらう。
まぁそうだろう。パラダイスであることが確定し、不安にはなるが、確定したこと自体に不思議と少し安心する。
キャンプサイトに入村してみると、先客はキャンピングカー仕様ハイエースの老夫婦のみ。
それほど広大なサイトではないが、車を横付けできるフリーサイトでなかなか良い。
とりあえずテントをたてる。
もう10年くらい使っているスノーピークのアメニティドームS。
他に欲しいテントはいくつもあるが、コイツにとりわけ不満がなく、使い勝手が良いので、新テントを買うのはコイツが裂けた時か、小金持ちに昇格した時だと思う。
その他諸々必要な物品を出したころには服はじっとりと、どころではないじゅわっと高野豆腐のようなジューシーな仕上がりだ。
早速ビール、と思ったが、喉乾きすぎて、もっと爽やかなものが飲みたいと思い、親に手渡された見たことないライム系のジュースをクーラーボックスから取り出す。
蓋を回すと、ド派手なスプラッシュに見舞われ、汗以外のベトつきも獲得する。
鬼畜のタイミングでiphone操作不可に・・・
今回は単純にキャンプを楽しみたいのもあるが、今後のブログやインスタ投稿用、そしていただいた記事執筆のお仕事用の写真を撮影するというミッションもある。
今後YouTubeもやってみたいし、音声配信もしたいなと。
むしろ今回はそっちのミッションに重きを置いていて、今日に間に合うようにAmazonでスマホ用三脚とマイクのセットを買った。
意気揚々とバトニングの動画を撮ってみようと、ルンルンで撮影を開始する。
しかし、なぜが動画撮れない。
RECボタンを押してもすぐにポペッと写真を撮る時と同じ音が鳴り、撮影が停止される。
もうええわ、としばらく放置して、そろそろ機嫌なおったかなと画面をみると、こんにちは、hello、ニーハオなど各国のこんにちはがゆっくりとしたアニメーションで表示されている。
猟奇的タイミングでスマホが自動アップデートされたのだ。そんなのってあるのか?
針の穴を通すような正確なコントロールである。なぜ私のキャンプタイミングがわかったのだ。
そして初期設定がWifiに繋がないと無理で初期設定終えないと操作できないという・・・。頭をフル回転した末、これは死んだと悟る。
写真撮れませんやん。連絡とれませんやん。
最初から使えないならデジタルデトックスだと前向きに捉えられるのだが、急に無理になるとシンプルに心細さしかない。
ふっふっふ、とはいえ私はフリーランスWEBデザイナー。イケイケな職種である。
キャンプだろうとApple Watchを装着し、ipadも持ってきている。
Apple watchからLINEが送れないかまず試してみる。
おっ音声入力で送れる。しかし、親と友人に1通ずつ送ったところでなぜかログアウトされ、ログインするにはスマホでの操作が必要ということで終了。
次にipad。
ipadは仕事用なので、集中力を削がれないようあえてLINEを入れていなかった。
幸い電波はあるのでLINEをダウンロードしたのだが、初期設定にはスマホでの操作が必要ということではい、連絡は終了。
写真はipadで撮るしかなくなった。躯体のデカさに嫌気が差す。
大撮影大会は規模が大幅に縮小されることが決まった。
構図にこだわる気持ちも消え失せた・・・。ここまでに写真が全然出てこない理由がこれだ!参ったか!
メシには満足。ハイエーサー老夫婦にかやくご飯ももらう
出鼻をボキりとへし折られたが、焚き火を開始し、ビールを飲んだところで少し機嫌を取り戻す。
前回は超突貫だったが、今回はちゃんと前日に買い出しを済ませ、下拵えもして行った。
荷物もコンパクトにできるし、キャンプ場で出るゴミや洗い物も少なくなるのでおすすめだ。
特にこの灼熱なので外で調理するのはしんどいしね。
献立は鯛の漬け丼、アボカドトマトの蜂蜜オイル和え、せせり、大黒本しめじの焚き火焼き〜セロリソースのせ〜、セロリの浅漬け、アジの南蛮漬け(缶詰)だ。
スマホ問題があって、完全に意気消沈してしまったので、まともに写真をとれているのがほとんどないが、どれも美味かった。
特に鯛の漬け丼は簡単だし、あっさりとしているのでおすすめ。
鯛漬け丼レシピ
- みりん、酒大匙2を少し煮立たせる。沸騰してから30秒くらいでOK。
- 醤油大匙2を加えて、冷めるのを待つ。
- ジップロックに鯛切り身と冷めた2を投入し一晩寝かす。
腹ぽんになってのけぞっているところに、ぬぼっと急に何かが現れたと思ったらハイエーサーの爺さんだった。
かやくご飯を炊きすぎたと、お裾分けを持ってきてくれた。
各地を夫婦で旅して回っているらしい。シンプルに羨ましい・・・。
そしてかやくご飯、とてもうまかった。ありがとう。
4年ぶりの孤独なキャンプで心細くなり、早めにテントイン
前回は開放的なキャンプ場かつ、離れてはいるものの見える位置に2組キャンパーが居た。
今回は老夫婦以外にキャンパーはおらず、かつ老夫婦から拠点が見えないように車を停めていたので、かなりのプライベート空間。そしてすぐ後ろには熊五郎たちのすみかが迫っている。
本来はこういう空間が好きなのだが、この感じ4年ぶりだったのと、スマホ使えなくなったのも重なり、急速に心細くなっていった・・・。
焚き火もそこそこにしてテントに逃げ込む。
もわっとさらに暑いが、耐えられなくもない。
スマホ使えないし、ならばipadの利点を最大限活かしたろうと、Prime Videoで映画を見始める。
清原果耶主演の「宇宙でいちばんあかるい屋根」という映画をダウンロードして行った。
桃井かおりの表情に凄みを感じ、そして離婚も関係していて、自分の境遇も相まって不覚にも泣いてしまった。
桃井かおり、SK-Ⅱのイメージしかなかったが、とても良い顔をするんだなぁ。
ソロキャンプはどう過ごしたって良い。
電波なくたって事前にダウンロードしていけば、キャンプでも観れる。
キャンプだからってキャンプキャンプしたことをしなくたって良いのだ。
朝はカップそばとブッシュコーヒー、暑くなる前に撤収
映画を観た後、ラジオを聴きながら眠りにつく。
クマパラダイス的なキャンプ地に来た時は、聴覚が研ぎ澄まされ、小さな物音にもビクッとしてしまう。
今でこそソロキャンプに行くほどだが、生まれながらのビビりがこういう時顔を覗かせる。
この時ばかりは連れションできるだれかがいたら良いなと思う。
割とすんなり眠ることができ、朝5時に目覚める。
涼しい。
いつぶりの涼しさだろうか。もうはるか昔のことのように感じる。
朝は基本的にカップそばと決めている。
どん兵衛の鴨そばがお気に入りだ。
昨夜は予期せぬ追加かやくをいただいたので、結構食材が余っていた。
卵をメスティン蓋で目玉焼きにし、セリアの鉄板で偶然スーパーで発見したホットチリシャウエッセンを焼く。
すべてうまい。
シンプルな料理が結局好きだ。
キャンプは夜、焚き火、酒が醍醐味だが、どちらかというと朝型の私は朝飯にも醍醐味を感じている。
その後、コーヒーだ。
普段はペーパドリップをしていたが、最近は面倒なのでケトルに直接挽いた豆をぶち込むブッシュコーヒーを楽しんでいる。
ブッシュコーヒーの作り方※分量はざっくり。それくらいおおらかでOK。
- お湯150~300mlくらいを沸かす
- 沸いたら火から下ろし、豆10~20gくらいを投入。
- 蓋を閉めて1分ほど蒸らす。
- ケトル側面を薪などでコンコンと叩き、豆を沈澱させる。
- ゆっくりと注ぐ。
※注ぐ時、始め少しだけ豆が入ってしまいがちですが、ほとんど入りません。
ペーパードリップよりも野生味溢れるというかワイルドでテンションも上がる。
チェックアウトがゆっくり目の11時だったので、テントを干したり、ギアのお手入れをしながらゆっくり過ごそうと思っていたが、気温がジリジリ高まっていくことに恐怖を感じたため、すべて車に放り投げて、9時ごろにキャンプ場を後にする。
夏キャンプ、初心者にはオススメしない。けど、結果楽しい
トラブルもあり、過酷なキャンプだった。
これからソロキャンプを始めようと思っている方は、一発目は夏を避けて、春か秋に行くことをオススメする。
いきなり洗礼を受けて、キャンプ嫌いになってしまうかもしれないので・・・。
今回は写真もあまり撮れず、このキャンプ場の魅力を伝えることもできず、残念・・・。
性懲りもなく、近々もう一度訪れようと思っているのでお楽しみに。
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